祭神・磯良大神は九州安曇氏の祖神として知られる。また住吉三神とともに神功皇后三韓へ
の御征途に際し、水先案内をされて航海の安全に功があったと伝えられます。

　　　　疣水神社はもともと式内社・新屋坐天照御魂神社の境内社であったが、寛文九年（西
暦１６６９年）天照御魂神社が現在の地に遷座されてより相離れて今日に至っているとのことで
す。新屋坐天照御魂神社は、疣水神社から、50メートルほど北の１７１号腺に沿ってあります。

　疣水神社には神功皇后のつぎのような伝承が残っています。昔、神功皇后が、三韓への御
征途に際し、皇后はこの地に立ち寄られて天照御魂神社に御祈願あらせられ、社頭に湧き出
る『玉の井』で顔をお洗いになった。すると不思議にも、洗われるや否やお美しい皇后のお顔
がみるみる疣や吹き出物で覆われて醜い男のようなお姿になってしまった。

　『これは御神慮のたまもの』と皇后は力強く男装をされて、そのまま彼の地へ向かわれたが、
そのため女性の御身をもって敵に侮られることもなく、みごとな戦果をおさめられた。

　そして、御凱旋ののち夢のお告げにより再びこの『玉の井』で、顔をお洗いになると、お顔は
たちまちもとの美しさに戻られたという。