村継送り者定証文
稲田家文書 175 村継送り者定証文
定
一 送ﾘ者、病人送リ来リ候ハゝ西宿村今宮村右両村より送り候、但
シ人足三人掛リ荷物有之候ハゝ外ニ人足差出シ候事、右人足賃
東稲村米三合、芝村五合、西宿村三合、壱人分壱升壱合宛相
渡候事
一 送ﾘ者病死仕、新家村と今宮村と出入ニ相成儀有之候ハゝ今
宮村ニ而引請、五ヶ村より出訴仕候、又牧落村と西稲村と出入
相成儀ハゝ右同断、五ヶ村之内ニ而病死仕候ハゝ、中三ヶ村
之内ニ而順番ニ引請、五ヶ村出訴仕候、勿論造用人足賃五ヶ村
内江割付候、但シ引請候村方造用料与内遺事、
一 送リ者泊リ之義ハ五ヶ村順番廻リニ留可申候事、
一 送リ者五ヶ村之内ニ而途中急死仕候共、両村之越度申間敷候、
五ヶ村之引請候事、
右之通相談之上相違無御座候、然ル上来ル十二月五日迄両村より
送り申候定、右対談之上ハ何ヶ様之義出来仕候共五ヶ村江引
請、両村之難儀ニハ致間敷候、為其連判依如件、
天明四庚申年閏正月
西稲村庄屋
仁左衛門 印
東稲村庄屋
源左衛門 印
芝村庄屋
市左衛門 印
西宿村庄屋
儀右衛門 印
今宮村庄屋
仁左衛門 印
右之通ニ而村々江為取替置申候、巳上
〔読み下し文〕
定 (ｻﾀﾞﾒ)
一 送り者(罪人)・病人が送り来り候らはば、西宿村今宮村右両村より送り候、
但し、人足三人を掛け、荷物これ有る候はば、外に人足を差出し候事、右人足賃は
東稲村米三合、芝村五合、西宿村三合、壱人分壱升壱合宛相渡し候事
一 送ﾘ者が病死仕りときは、、新家村と今宮村と出入に儀之(これ)有り相成候はば
今宮村にて引き請け、五ヶ村より訴え出し仕り候、又牧落村と西稲村と出入に儀
相成はば右同断とする、五ヶ村之内にて病死仕り候はば、中三ヶ村
之内ニ而順番ニ引請、五ヶ村出訴仕候、勿論造用人足賃五ヶ村
内へ割り付け候、但シ引き請け候村方に造用料与内(援助)遺わす事、
一 送リ者が泊りし義は五ヶ村が順番廻りに留める可き申し候の事、
一 送り者五ヶ村之内にて途中で、急死仕り候とも、両村之越度(落ち度)と申し間敷候、
五ヶ村之(これ)引き請け候の事、
右之通り相談之上、相違(そうい)御座無き候、然(しか)る上、来る十二月五日迄両村より
送り申候定(さだめ)、右対談之上は何ヶ様の義が出来仕り候とも五ヶ村へ引
請、両村之難儀には致し間敷く候、其の為連判(れんぱん)依如件(くだんのごとし)、
〔解説〕
