天皇家は、初代が神武天皇ですから、神話時代の天皇家というのは
おかしいですが、
この時代の日本を支配した者は、沢山いたようです。
古事記によりますと、天武天皇が語った言葉として、「諸家のもたる帝
紀及び本辞、すでに正実に違い多くの虚偽を加ふ」と云えりとありま
す。
　此の事から、天皇家以外に、多くの豪族がいたことが分かります。
その豪族は、なぜか天皇の即位から崩御までを記した帝紀や、神話
や伝説を書き留めた本辞を持っているようだが、自分たちに都合のよ
いように書き換えているらしく、「正しくなく、虚偽が書きくわえられてい
ると聞いている」と述べておられます。

　「正しくなく、虚偽が書きくわえられていると聞いている」という表現
は、重要です。天皇は、それらの物を手にすることはできないが、そ
れを読んだ部下が、天皇に報告したことになります。
　僅か、これだけのことですが、天皇は、幽閉されていて自由に、この
ような物を見ることができない状態にあったことが分かります。
　その後、天皇が心配された通り、壬申の乱のときの最も、信頼のお
ける部下が、次々と死んでいく様子が、日本書紀に書かれています。
ほぼ、全員に近い部下が亡くなった時に、天武天皇が亡くなっていま
す。
　「Ｎｏ.265　天武天皇は暗殺された」http://blog.so-net.ne.jp/nihonnsi
/2006-06-30　
　
台頭してきた豪族たちが、天皇と同じように、自分たちもずっと、昔か
ら由緒正しい一族であることを帝紀及び本辞を参考にして、作ろうとし
ていたと思われます。
　だからと云って、豪族同士が戦争をしていたかと云いますと、戦争は
していなかったように思われます。

そこで、正しい帝紀及び本辞を作りなおそうと天武天皇が考えられ、
稗田阿礼と太安万侶に古事記をつくるように命じたことになります。
現在の歴史という学問を結集した成果によりますと、古事記は、信頼
置けないものとされ、日本の正史とされている日本書紀が正しいもの
とされています。

　私の調べたところ、日本書紀は、国が作ったものではなく、当時の
最高権力者である藤原不比等が、712年に完成した古事記を参考に
して作った歴史書であると考えています。
　そこで、天皇家の歴史を、より正しいものに書き綴った古事記を元
にして、天皇家が戦ってきた歴史を見ていきたいと思います。