著者の浅井　隆　という人は、私の知る限りでは、いつも、悲観論ばかり述べているという印象
がありました。よく言えば、慎重なのですが、著書はあまり、買った記憶がありません。

　ところが、昨年、大阪市・天王寺での古本市において、

　　　　　　　「あなたの財産を　10年で倍にする法」

という、本をかいました。(1998年12月25日発行)

本の発行は古いのですが、書かれていることは、現在において、正しいことが一杯書かれてい
ます。3年半前の予想が、悉く正しいといえます。上述のタイトルは、色は同じですが、字の大き
さは、表紙一面です。おまけに、浅井隆　という字の大きさは、タイトルと同じぐらいです。

この人は、自分の名前を売り込みすぎると思っていましたが、浅井氏の計略にまんまと引っか
かってしまいました。脳裏に、名前が刻み込まれたことになります。

あまりにも、えげつないタイトルなので、私は読みましたが、読書一覧表に入れませんでし
た。浅井　隆という人の言われることは、参考にしてもいいナと思っていました。

古い本を、いかにも最近発行のように、新刊の売る方法で並べれば、誰でも新刊と思ってしま
います。一種の詐欺的商法ですが、これは、著者は関係なく、本屋さんの策略であったかもし
れません。

本の内容は、日本の借金は、1000兆円を超えてしまったという事実です。それを政府が、
毎月100億円ずつ返済しても、返済不可能であること。

別に、難しい話が書いてあるわけではありません。ごく、簡単な算数のお話です。お金の桁が、
あまりにも、大きすぎて、計算をしても、ピンとこないだけです。

それが、判れば、どのように、対策をすればいいのかが、述べられています。

円が駄目になるのであれば、円以外のもので持とうというだけのことです。ドルで持つ、ユーロ
ーで持つ、金で持つ。

どれが、有利なのか、どれぐらい持てばいいのか書かれています。

移動させるお金を持っている人は、トウに、移動させました。金も買いました。少し、お金を持っ
ていた人は、この本を読んで、なるほどと思って、金を買うでしょう。その金は、誰が売るのかと
いいますと、この本を買う前に、気がついた人が買っておいて、今金の値段があがつたところ
で売ることになります。

　その売ったお金で、ドルを買います。そうすると、ドルに人気が出ますから、円安になります。
昨年、１ドル１１０円ぐらいで、買っておいた分が、円換算で増加します。

なんだか、少し解ってきたぞと、一人で喜んで見ましたが、私には、避難させる財産がないこと
に、気がつきました。

お金というヤツは、ある所には、一層集まり、ない所からは、一層逃げていくことが、解りまし
た。

銀行に預けておいたら、心配だと思われる人は、一度読まれたらいいと思います。最も、持っ
ている人は、すでに、移されたとはおもいますが・・・。

お金の無いひとは、私のように、解るという利点はあります。　その代わり、１４００円というお
金は、失われます。出来れば、古本屋にいきますと、７００円で売っています。貧乏人は、これ
ぐらいの知恵しかありません。こんな知恵を実行しているから、貧乏なのかも知れません。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成１４年４月4日