悪水抜伏樋溝料定証文

　　　　　一札之事

一　私居屋敷雑水之儀ハ、東江流レ行キ来リ候所ニ而御座候得共、

　　此度酒造仕候ニ付、村々より差構イ被申候ニ付、其元田地字西

　　ノかいち田地東ニ瓦樋を伏セ、右致酒造、悪水流シ候様ニ其元

　　相頼ミ候ニ付、当村源重郎殿挨拶を以、右伏樋溝料として定

　　米弐斗宛相納候様相対仕候、万一定米不納ニ相成ハゝ急度

　　差留メ被申候共無異儀候、若シ後日ニ酒造相止メ候節ハ、此

  方より右伏樋掘上、其元田地指障リ無之様ニ可仕候、勿論悪水

　　之儀ハ以前之通東江流シ其元田地江悪水不参候様ニ可仕候、

　　後日之ため伏樋ニ付定メ、一札仍而如件、

　　　　天明五巳年三月

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　西稲村

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　幸右衛門

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　同村世話人

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 源重郎

  右相定メ之趣互ニ得心仕、無相違趣ニ付奥左ニ印、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　同村庄屋

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　仁左衛門

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　同村年寄

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　長右衛門

　　　　　仁兵衛殿

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