天照大御神がどこからやって来たかの仮説はいかがでしたか。古いこ
とですし、ある書物のごく一部だけから推理することは不可能です。
　
　殆どの方は、　天照大御神は神話上の人物で、実在しなかったと捉え
ておられますが、それでは、全国にある厖大な神社に祭られている天照
大御神を説明することはできません。
　どうして、皇祖神であることも説明できません。
このシリーズは、天皇家の軍隊を眺めてみようというのが主題です。

世界的にみると、戦争が行われた時に、リーダー的に祭られた人はおら
れたでしょう。しかし、戦争のリーダーは、戦争屋では務まりません。
　2200年経た現在でも、神社や自宅で祭って居られる人が居られると云
うことは、神話で無視することは間違っています。

　天照大御神が女性であるとされています。、多くの方は、天照大御神を
卑弥呼とされたり、卑弥呼とおなじようなものとされているのでしょう。魏
志倭人伝に書かれている感触では、シャーマンという訳の分からない言
葉を使っている人も居られます。
　最近では、イギリスのサッチャー氏が、指揮をとって、軍隊を派遣したフ
ォークランド戦争がありましたが、あまり女性が軍隊を使ったという話に
は、知識不足です。
　前回見てもらいましたように、全国的規模で、入植を企画するということ
は、男子の仕事だと思うのですが・・・・。
　ただ、天照大御神は、戦の準備は一度しています。
　スサノオが、高天原にやって来た時のことは、古事記では次の様に書
いています。

〔故ここに須佐之男命言ひしく、「然らば天照大御神に請して罷らむ。」と
いひて、すなはち天に参上る時、山川悉に動み、国土皆震りき。ここに天
照大御神利き驚きて詔りたまひしく、「我が汝弟の命の上り来る由は、必
ず善き心ならじ。我が国を奪はむと欲ふにこそあれ。」とのりたまひて、す
なはち御髪を解きて、御角髪に纏きて、すなはち左右の御角髪にも、ま
た御鬘にも、また左右の御手にも、各八尺の勾タマの五百入の靫を附
け、また稜威(イツ)の高鞆を取り佩(オ)ばして、弓腹(ユハラ)振り立てて、
堅庭は向股(ムカモモ)に踏みなづみ、踏みなづみ、沫雪如す
蹶散らかして、稜威の男建踏み建びて待ち問ひたまひしく、「何故上り来
つる。」と、とひたまひき〕

この様に、軍隊のことは、一言も書かれていせん。
天照大御神の最大の戦いの場と思われるものは、大国主神に領地の明
け渡しを明治元年神社改正の際た時になりますが、この時も、交渉役の
使者を出しただけで、軍隊のことは書かれていません。
次回は、三貴人のひとりであるスサノオ命のことを書きます。
　H211026